チンピラやくざと紡績会社の女子工員との出会いから死に至る魂のふれ合いの中に、青春の持つ残酷さを、さわやかに、哀しく描いた表題作。<br />ほとんど戦後日本史の原型ともいうべきものを捉え、焼跡闇市派文学の原点を示す佳品『くらい片隅』。<br />家庭という場で展開されるすさまじい‘反米闘争’の寓話『万婦如夜叉』。<br />ほかに『銀座のタイコ』『呪われ児』『殺さないで』『展望塔』を収める。<br />