歴史、美術への深い造詣を背景に、奈良の古寺、古仏を愛してのびやかに‘やまとくにはら’へのつきない憧憬を詠みつづけた自然人、会津八一。<br />万葉調を近代化した新鮮、独自の歌に、自ら平明詳細な註を付したこの歌集は、歌と自身の長く豊かな交流を読む人に語りかけて、会津八一の‘詩と真実’ともいうべき最晩年の偉業である。<br />