紀州和歌山の泣き虫の少年は、大阪に奉公に出された。<br />火鉢屋、自転車屋での辛いながらも愉快な丁稚時代を経るうち、彼は電気の時代の到来を看破。<br />電気工の見習いへと転身。<br />やがて、工夫を重ね、新型ソケットを開発して独立する。<br />明治、大正の大阪船場の賑やかな空気、昭和の動乱の産業界の激しい浮沈を背景に「経営の神様」松下幸之助の波瀾万丈、創意工夫の足跡を颯爽と描く快作。<br />