医者のピエールと弁護士のジャンは、性格はまるで違うが、いたって仲のよい兄弟である。<br />ある日、ジャンにだけ思いがけない方面から遺産が送られてき、兄ピエールは、弟は果して誰の子なのか、愛する母には何か秘密があったのではないかと、深い疑惑をいだきはじめる……。<br />典型的な心理研究の文学で、漱石もこの作品を讃嘆している。<br />1888年作。<br />ほかに「小説について」を併録する。<br />