故郷を離れている間に友人と結婚した恋人に、美しい湖のほとりで再会したラインハルトは、過ぎ去った青春が戻らないことを知って去ってゆく。<br />――若き日の恋人に寄せるはかない老人の思いを綴る『みずうみ』。<br />併録の『ヴェローニカ』は、死の予感のはしる美しい人妻の痛ましい恋を、『大学時代』は、貧しい美貌の少女の可憐な反逆を描く。<br />いずれも詩情あふれる美しい恋物語である。<br />