‘御本山’の黒い森をみつめて、白い闇の道を歩いた女の20年……。<br />一種底の知れない、暗く混沌とした世界の中で、病める魂の咆哮を聞く芥川賞受賞作『無明長夜』。<br />‘捨てる’ことを根源に、自らの道を開こうとした著者の、戦後の出発を語る『豊原』。<br />ほかに『寓話』『終りのない夜』など、新しい世代の世界とイメージを持って、多様な才能を遺憾なく発揮した作品群。<br />ほか『静かな夏』『生きものたち』『わたしの恋の物語』全7編を収める。<br />