「女」はヴィーナス、いたずらっぽい媚態で男を惑わす「天使」にも変身する。<br />だから「男」は永遠に夢=欲望を追いかける。<br />貧乏画家の主人公をめぐる、年上の妻と、若い二人の女。<br />欲望にのみ突き動かされるように、愛人たちとの情事を繰り返す主人公にとって、いったい「天使」は誰? (1989年?90年「新潮45」掲載「女は海 男は船」改題)