「ものにならなくてもいい、‘あのひと’の弟子になって一度は芸人の世界に身を置いてみたい」――気弱で目立たない青年が、一念発起、憧れの人たけしに弟子入りする顛末「あのひと」。<br />高二の夏、女の子にもてたい一心で、ひたすら三浦海岸まで自転車を漕ぎ続ける少年の話「やじろべえ」。<br />花火の音に喚起された少年の日の思い出「黒豹」など。<br />小説家たけしが直木賞をねらった(!)短編5編。<br />