昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。<br />シラミだらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。<br />その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ4歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしく飛び交った……戦後どれだけの時間が過ぎようと、読む度に胸が締め付けられる永遠の名作『火垂るの墓』をはじめ全6編を収載。<br />