生まれて初めて男を買ってしまった。<br />二時間で一万七〇〇〇円だった――。<br />大学のゼミ仲間のタケルに誘われて、私は初めてウリセンバーでカイトという男の子を買った。<br />一緒にカラオケをして、彼とはもう二度と会わないだろうと、あの時、そう思っていたのに……。<br />一週間後、私はまたカイトを買ってしまった。<br />だって私が彼を買わなければ、おそらく誰かが買ってしまう――。<br />ケータイ小説の女王が描く、ひとつの「愛」のカタチ。<br />