維新は成った。<br />中村半次郎改め桐野利秋は、西郷の腹心として存分に働き、日本初代の陸軍少将となる。<br />ザンギリ頭にフランス香水をつけ、得意絶頂の桐野だった。<br />が、西郷は新政府のやり口に苦りきっていた。<br />そしてついに、進退をかけての征韓論争に敗れ、西郷は帰郷。<br />桐野ら薩摩隼人の心酔者たちは放っておくことができない――城山での壮烈な最期まで、激動の時代を駆けた一快男児の半生。<br />