[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に‘新しい’家政婦。<br />博士は‘初対面’の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。<br />数字が博士の言葉だった。<br />やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。<br />あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。<br />寺尾聰主演の映画原作。<br />