一九五六年、大阪から上京し、早稲田大学露文科に入学。<br />最初の授業でこう言われる。<br />「露文科の学生になったからには、もはや就職はあきらめたまえ」。<br />米川正夫ら教授陣、李恢成など個性豊かな級友たち、著名な学者のコケティッシュな娘、親戚のような大家一家や愛情深い両親の姿……。<br />自在なスタイルで描く自伝的連作集。<br />