あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。<br />25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。<br />鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。<br />その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが……。<br />誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい‘愛’の姿。<br />芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。<br />