恋愛感情も性関係もないまま結婚をした、うみとアミ。<br />高校時代の教室、広島への修学旅行、ともに歩く六本木、そこに重なる400年前の土地の記憶、幾層ものたゆたう時間――。<br />ぎこちない「交配」を経てうみは妊娠、やがてアミは姿を消す。<br />2035年、父を知らぬまま17歳になった息子のアオは、旅先の奈良で、桜を見ていた……。<br />待望の芥川賞受賞第一作。<br />