「……り……に、毒を」被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。<br />毒物の正体は不明。<br />親戚にあたる星祭家では独特な七夕祭を執り行っており、異様な事件が連続する。<br />《毒草師》御名形史紋らは、京都に乗り込んだ。<br />和歌に織り込まれた言霊を手掛かりに、笹・砂々・金・星の言葉を読み換え見えてくる禍々しい真相、日本人を縛る千三百年の呪。<br />「七夕」に隠された歴史を明察する傑作民俗学ミステリー。<br />(解説・中野信子)