両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。<br />前藩主の没後、粛清が始まった。<br />減封、閉門、配流。<br />立花一族は従容として苦境を受け入れるが追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。<br />己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。<br />清新清冽な本格時代小説。<br />