「大和の誇り忘れるべからず」。<br />師は若き今村勤三にそう書き遺し、天誅組と共に散った。<br />やがて明治。<br />奈良県は廃藩置県に伴う統廃合で大阪府へ吸収合併され、災害復興も地価見直しも後回しの屈辱的扱いを受ける。<br />師の無念と民の怒りを受け、勤三は大和再独立に立ち上った。<br />近代化の陰に隠された地方の闘いに光を当てる維新秘話長篇。<br />