「父を斬れ。<br />斬らねばおまえの生きる場所は、この世にはない」。<br />謎めいた祖父の遺言を胸に、日向(ひなた)景一郎は流浪の旅に出た。<br />手挟(たばさ)むは二尺六寸の古刀来国行(らいくにゆき)。<br />齢(よわい)十八の青年剣士は赴く先々で道場を破り、生肉を啖(くら)い、遂には必殺剣法を体得。<br />そして、宿命の父子対決の地、熊本へと辿り着く――。<br />獣性を増しながら非情の極みへと向かう男の血塗られた生を描く、凄絶な剣豪小説シリーズ、第一弾。<br />