一級建築士の青瀬は、信濃追分に向かっていた。<br />たっての希望で設計した新築の家。<br />しかし、越してきたはずの家族の姿はなく、ただ一脚の古い椅子だけが浅間山を望むように残されていた。<br />一家はどこへ消えたのか? 伝説の建築家タウトと椅子の関係は? 事務所の命運を懸けたコンペの成り行きは? 待望の新作長編ミステリー。<br />