ついさっきまでそこに確かにあったはずの見慣れた光景がいつのまにか見えなくなっている……。<br />平凡な日常こそかけがえのないものだと感じつつも、それが少しずつ失われていくことへの不安に苛まれる多感で繊細な少年少女たちを描く「虹のかかる行町」。<br />帰ってきたはずの子どもが家から姿を消す「飛光」など四篇を収める中短編集。<br />