17年前の夏、人気絶頂のミュージシャン・香織はステージから落ち、すべてを失った。<br />残ったのは、どこも動かない身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけ。<br />それでも彼女を生かすのは、壮絶な怒りか、光のような記憶か、溢れ出る音楽か――。<br />生の根源と家族の在り方を問い、苛烈な孤独の底から見上げる景色を描き切った飛翔作。<br />