高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。<br />それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。<br />公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった――。<br />理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。<br />芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。<br />