46歳の下田保幸は、プロのジャズクラリネット奏者。<br />演奏に全てを捧げた若い日の情熱は潮が引くように褪せ、いまは音楽教室講師の僅かな収入で過ごす。<br />そんな暮らしがギタリストの青年・音矢との出会いで動き出す。<br />どうしても困ったら下田を頼るよう、亡き母に言われたという音矢の名字は佐久間。<br />下田が昔愛した女性と同じだった……。<br />人生の折返し点で迷う大人たちの心をはげます感動作。<br />(解説・北上次郎)