看板娘のお瑛と兄の長太郎が切り盛りする雑貨屋『みとや』。<br />一律三十八文が売りの小さな店だが、のんきな兄が鼻高々で仕入れてくるのは、おかしな品ばかり。<br />大量の黄表紙、煙臭い市松人形、小花の簪、山ほどの下駄。<br />訳あり品に秘められた下町人情、意外な縁、嫉妬の罠とは……。<br />時代小説の名手が、背負った過去にも負けずに生きる人びとの姿を、しみじみと描き出す。<br />好評シリーズ第二弾。<br />(解説・中江有里)