不貞の濡れ衣で婚家を追われ、長屋で縁結び屋を名乗るおえん。<br />旧友の再婚を調え、安堵した折に驚きの報せが。<br />十年も行方知れずの息子・友松が帰ってきたのだ。<br />若者へと成長した友松の背には目印のホクロが確かにある。<br />が、おえんは我が子だと思い切れぬ何かを感じていた。<br />江戸の人間模様を粋に描き出す、風味絶佳の時代小説。<br />