国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。<br />その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。<br />だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる……。<br />単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。<br />(解説・櫻井よしこ)