派手な柄シャツを小太りの体に纏い、下ぶくれの顔に笑みを浮かべた中年男。<br />でもこれは人間に配慮した仮の姿。<br />だって、私は神だから――。<br />千年前から小さな神社を守る恋愛成就の神は、黒縁メガネにスーツ姿の同僚と共にお勤めに励む。<br />昇進の機会を掴むため、珍客がもたらす危機から脱するため、そして人々の悠久なる幸せのため。<br />ちょっとセコくて小心で、とびきり熱い神様が贈る縁結び奮闘記!(解説・津村記久子)