東海道・箱根の関所には、今日も切実な事情を抱えた旅人がやって来る。<br />西国へ帰る訳ありげな兄妹、江戸から夜逃げしてきた臨月の女、そして命を賭して一人の男にこの国の未来を託そうとする人々――黄昏を迎えた江戸の世で、若い関守の目に映る究極の人間ドラマ。<br />さらに彼自身が迎える最大の岐路を鮮やかに描き出す骨太な時代小説。<br />