次男二女も独立し、孫にも恵まれ、幸多い日々を過ごしていた珠世。<br />が、浦賀に黒船が来航し、雑司ヶ谷の居宅にも激震が。<br />またかつて居候していた石塚源太夫の郷里、小田原は大地震に見舞われた。<br />珠世は思い知る、時の流れは出会いとともに、別れを連れてくることを。<br />不穏な時代を生き抜く人の知恵と日々の歓びを描く連作短篇集。<br />