愛する者をすべて喪ったハンニバルは、無感動な孤児院生活を過ごす。<br />そんな彼を引き取ったのはフランス人の叔父ロベール。<br />ハンニバルはその妻である日本人女性、紫夫人の薫陶に与るとともに、その魅力に強く惹かれてゆく。<br />だが、凶事の悪夢は去らない――。<br />最年少でパリの医学校に進んだ彼は、持てる英知と才覚を駆使して記憶の一部を取り戻し、復讐すべき獣たちを狩りはじめる。<br />