両親の愛を享受できなかった記憶に抗い続けながらも、いまだに過去から逃れられないカウンセラーの橙子。<br />テニスインストラクターの夫・律と小学一年生の息子・蓮と、一見平穏な生活を送っている。<br />だが、父が病に冒され、やがて再婚し、そして――。<br />愛された記憶のない人間に、「家族」を大切にすることができるのか。<br />