明治初頭、日影一族の棟梁の隠居所だった武家屋敷が官憲に包囲されたが、一族は忽然と姿を消した。<br />奇怪な伝承に彩られ、断崖絶壁の岬の突端に建つこの館を人は「消人屋敷」と呼ぶ。<br />ここに隠遁する覆面作家を訪ねた女性編集者が失踪、三ヵ月後、謎の招待状で五人の関係者が集まった。<br />嵐で巨大な密室となり、また不可解な人間消失が起こる。<br />読者を挑発する本格ミステリ長篇、驚愕の結末!(解説・村上貴史)