地域課警部補の死体が、警察署の敷地内で発見された。<br />胸にはナイフが突き立ち、激しい雨に打たれていた。<br />直後に封鎖された署内に動揺が走る。<br />犯人は庁舎内に隠れているのか。<br />まさか本官なのか。<br />副署長の田添杏美は、所轄署の名誉をかけて犯人を挙げると決意するが……。<br />留置場の異様な出来事、剛腕刑事課長との厳しい対立、解けない謎。<br />元女性白バイ隊員の著者が女性警視の捜査魂を描く傑作。<br />(解説・吉野仁)