「俺いま、すごくやましい気持」。<br />ふとした瞬間にフラッシュバックしたのは、あの頃の恋。<br />できたての喉仏が美しい桐原との時間は、わたしにとって生きる実感そのものだった。<br />逃げだせない家庭、理不尽な学校、非力な子どもの自分。<br />誰にも言えない絶望を乗り越えられたのは、あの日々があったから。<br />桐原、今、あなたはどうしてる? ――忘れられない恋が閃光のように突き抜ける、究極の恋愛小説。<br />(解説・窪美澄)