兎田孝則は焦っていた。<br />新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。<br />母子は怯えていた。<br />眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。<br />連鎖は止まらない。<br />ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。<br />軽やかに、鮮やかに。<br />「白兎事件」は加速する。<br />誰も知らない結末に向けて。<br />驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!(解説・小島秀夫)