京都での学生時代、駆け出し記者だった頃の結婚、十年後の離婚、新たな家庭と四十代にして初めて儲けた息子。<br />東日本大震災の激務を経ながら癌を患い、現役記者を続けて六年。<br />いよいよ最後の日々が近づいてくる――。<br />『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞した作家が、ままならない人生のほのかな輝きを描く最新長篇。<br />