今日、患者が死んだ――。<br />倫理に反する言動で白眼視される医師村荘(むらそう)を描く「医呆人」。<br />ある朝、心が毒虫に変じた女医の葛藤「変心」。<br />高級老人ホームに住む男女の恋愛ドラマ「カネと共に去りぬ」。<br />そして高慢きわまる老医の手記「アルジャーノンにギロチンを」。<br />久坂部羊が名作に鮮やかなメスを入れ、現代医療の嘘と欺瞞を浮かび上がらせる。<br />ブラックでシニカルな、七錠の劇薬エンターテインメント。<br />(解説・大矢博子)