人生の折り返し地点をとうに過ぎ、もう恋など忘れたはずだった――。<br />結婚を考えるほど愛していたのに、突然消えた女。<br />四十年後の再会、そして別れの理由に涙する表題作。<br />その他、若き日に性の手ほどきを受けた人妻の娘に出会う「観覧車」、離婚した幼馴染みへのひそかな思慕を描く「土産話」など、全六作を収録。<br />年齢を重ねたからこそわかる、深い味わいと切なさに満ちた、名手による最期の恋愛短編集。<br />(解説・吉田伸子)