総司の義兄にして天然理心流の剣客沖田林太郎は、新選組勢と袂を分かち、新徴組創設に加わる。<br />その上役たる酒井玄蕃(げんば)はフランス式兵法をも修めた英才だった。<br />そして戊辰戦争が勃発。<br />庄内藩中老の玄蕃が指揮し林太郎らが支えた歩兵隊のスナイドル銃は、勢いづく官軍を食い止め歯軋りさせた。<br />だが時代は彼らの不敗神話さえ呑み込んでゆく。<br />著者が父祖の地を舞台に描く二人の漢(おとこ)の物語。<br />(解説・池上冬樹)