マドリードの古本屋で手に入れた古楽譜の裏には、十九世紀の文豪ホフマンの行動が事細かに綴られていた。<br />筆者不明の報告書の解読を進めるうちに、現代の日本にまで繋がる奇妙な因縁が浮かび上がる。<br />二重三重の仕掛けが読者を迷宮に誘う、これは逢坂版『薔薇の名前』か? 渾身の大作一五〇〇枚!