昭和三〇年代の福島。<br />日本酒の蔵元に生まれた少年の夢は、食べ物でみんなを幸せにすること。<br />かくて少年は、農大卒業後、東京で発明家を目指す。<br />いまや常識となった「出汁入り味噌」、「匂い」に着目した絶品ラード、そして人類の悲願「人工松茸」――。<br />尽きせぬ食欲だけを武器に、美味を追い求める発明家の栄光と失敗の日々。<br />