「人生」を燃焼させようとする烈しい母、「生活」を大事にする父。<br />二人が離婚した時、幼い息子が強いられた選択は、やがて……。<br />今年発見された未発表の中篇小説「影に対して」をはじめ、母を描いた名作を集成。<br />『沈黙』や『深い河』の登場人物が結局キリストを棄てられなかったように、母と別れることは誰にもできはしない――。<br />