十八世紀のコルセットやレース、バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点が眠る服飾美術館。<br />ここの洋服補修士の纏子は、幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。<br />一方、デパート店員の芳も、男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。<br />デパートでの展示を機に出会った纏子と芳。<br />でも二人を繋ぐ糸は遠い記憶の中にもあって……。<br />洋服と、心の傷みに寄り添う物語。<br />(対談・筒井直子、解説・谷崎由依)