幼い頃に養父を亡くし、母親の愛人から日常的に暴力を受けていた刀根秀俊に、十四歳のとき初めて気の置けない存在ができた。<br />同じクラスの美月、陽菜乃、亮介だ。<br />四人で過ごすかけがえのない時間は、しかし、ある事件で一変する。<br />それから二十年。<br />秀俊は暴力の連鎖から抜け出せず、彼を思う美月、そして陽菜乃と亮介もまた、秘密と後悔にもがいていた。<br />絶望の果てに辿り着く、究極の愛の物語!(解説・馳星周)