新山遥には、死の近づいている人がわかる。<br />十歳で交通事故に遭い、両親と妹を失ったころからだ。<br />なぜこんな力が自分にあるのか、なんのためにこの力を使えばいいのかはわからない。<br />けれど見て見ぬふりのできない彼は、死の近い人々に声をかけ、寄り添う。<br />やがて、二十四歳になった遥は、我が子の誕生を待っていたが……。<br />愛する人を想う気持ちに涙があふれて止まらない、運命の物語。<br />