「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」。<br />始皇帝の陵墓づくりに始まり、道教、仏教、分子生物学、情報科学を縦横に、変化を続ける「文字」を主役として繰り広げられる連作集。<br />文字を闘わせる遊戯に隠された謎、連続殺「字」事件の奇妙な結末、本文から脱出し短編間を渡り歩くルビの旅……。<br />小説の地平を拓く12編、川端康成文学賞・日本SF大賞受賞。<br />(解説・木原善彦)