信長と前田家に滅ぼされた朝倉に仕える家に生まれながら、利家に見初められ、取り立てられた通称「ちよぼ」。<br />長男は異例の大抜擢で三代藩主となり、天下の舵取りが豊臣から徳川に移るなか人質として江戸に送られて加賀百万石を盤石にし、能登に五重塔を建立し月光菩薩のように慕われた法名「寿福院」の生涯を描く連作短篇。<br />