自分を弄んだ男性教師を追ってたどり着いたインド・ガンジス河岸の聖地。<br />傷心の女子大生は、ここでも「象牛」なる謎の存在に翻弄される。<br />果たして彼女はこの懊悩から解脱できるのか――表題作の他、大阪「比ラカ駄(ひらかた)」を流れる淀川河岸を舞台に、恋に似た短く激しい熱情を描く「星曝し」を収める、芥川賞受賞後初の作品集。<br />※「ラ」は手偏に「羅」、「カ」は「加」の下に「可」