謎の絵師を、さらなる謎で包んでしまえ――。<br />前代未聞の密談から、「写楽」売出しの大仕掛けは始まった……。<br />一ツ、正体は決して知られてはならない。<br />二ツ、噂を流し影武者を作れ。<br />三ツ、御公儀に一泡吹かせるべし。<br />江戸っ子の意地を賭け、蔦屋重三郎が動く。<br />かくして「写楽」はデビューした。<br />だが感づいた者がいた。<br />危機一髪の尾行、想定外の事態、「写楽」はどうなる……。<br />痛快時代小説。<br />(解説・細谷正充)